薪ストーブを設置して、早1カ月半が過ぎました。
薪ストーブは、初めてだったので、最初は、火付けがうまくいかなくて、部屋の中が煙で曇ってしまったり、薪の燃え尽きる時間当たりの量がわからなくて、すぐに種火になってしまったりと色々ありました。
でも、今は、薪の種類を自分なりにブレンドしたりして、火力をある程度コントロールできるようになりました。
もちろん、コントロールと言っても、ガスレンジのように急に火を全開maxまで燃やしたり、外出するので急に消火するってなことはできません。
ということで、今回、実際薪ストーブを使って嬉しかったこと、想定外だったことをお話ししようと思います。
薪ストーブを使って嬉しかったこと
薪ストーブを使って嬉しかった5つのことについてお話したいと思います。
その1 -揺らめく炎に癒されるー
何と言っても、この揺らめく炎を見ていると、心が癒されます。
別に心が病んでるわけじゃないんですが・・・。(笑)
この炎の揺らめきを見ていると、時折、“パチッパチッ”と薪が燃えまる音がするのもいいんですよね。
炎も燃え始めから燃え終わって炭になる前のまだ燃えている状態まで、すべて雰囲気が違って飽きが来ません。
また、桧や松、もみじや桜など燃やす木の種類によっても燃え方に個性があります。
その2 ー薪ストーブでほったらかし料理がおいしい!ー
私の住んでいる所では、5月までは朝晩は、暖房が必要なことが多いので、薪ストーブを使います。
この薪ストーブでシチューやスープのような煮込み料理はもちろん、通年皆さんも食べる機会があると思うカレーなども薪ストーブにかけておくだけで抜群の美味しさに仕上がります。
この薪ストーブの火にかけた料理の味というのは、明らかにガスやIHで作った味と違うんですね。
一口、食べていただければわかると思うのですが、どのような言葉でこの美味しさをお伝えすれば良いのか・・・ん~、どのメニューにも共通しているのは、どこか優しくてほっとする味、自然と食べ物への感謝の心が湧いてくる食という感じかなぁ。
その3 ー家族の会話の時間が増えたー
我が家では、冷える日は、薪ストーブの部屋に家族3人そろって、それぞれのことをしてます。
6歳の息子も、薪ストーブは、お気に入りで、毎朝、“今日は、ストーブする?”と聞いてきて楽しみにしているようです。
薪ストーブのある部屋には、CDレコーダーがおいてあるだけで、テレビは置いてありません。
ただ、薪ストーブがあるだけの部屋なのですが、居心地がいいみたいで、誰もほかの部屋に行こうとしません。
時間がゆっくり流れているようなこの空間が、心地いいのかもしれません。
会話も自然と楽しく何かしらたわいもないことを話しています。
そのような流れの中で、外が寒くて息子と外遊びができないときも、息子と一緒に妻が買ってきてくれた七田さんのドリルで勉強をしたり、息子の好きな乗り物のかるた遊びをしたりして息子も満足しているようです。
その4 ー子どもがテレビにかじりつきにならなくなったー
薪ストーブの部屋がなかった時の子どもの毎日は、親が相手をしていない時は、ほぼほぼ100%、N〇KのEテレかお気に入りの電車のDVDを見る日々でした。
それが、薪ストーブの部屋を作ってからというもの、テレビを見る時間がぐっと減りました。
テレビを見ている時間が、薪ストーブの部屋のおかげで親と何かしらしゃべっている時間に自然と変わっていったのだと思います。
その5 ー洗濯物がすぐに乾くー
薪ストーブの部屋に洗濯物を干すと、本当によく乾きます。
最初は、薪ストーブで薪を燃やしている時の匂いが洗濯物に付いたりしましたが、これは、焚き付けや火のコントロールがうまくいっていないからで、薪ストーブを使い始めて一カ月ちょっと経った今は、室内に匂いはほとんど感じられません。
薪ストーブで合板を燃やしたり、不用品処理として紙や段ボールを燃やすといったことをすれば、異臭はしますので、これはやらないほうがいいと思います。
こういったものを薪ストーブで燃やすと、ススが大量に出てしまいますし、薪ストーブ自体にも良くないです。
まぁ、個人的には、きちんとした国産木材を燃やしていれば、木本来の燃える香りしかしないので、匂いはあまり気にならないというか、逆に薪ストーブの生活が感じられていいかなぁって思ってます。
想定外だったこと
その1 ー暖房費は激安になるはず?ー
最初は、誰でもきっと真っ先に考える、冬の暖房費。
薪ストーブにすれば、暖房費が浮く!?
正直、私もきっと劇的に冬の光熱費が安くなるのでは?と思っていました。
実際、7Kの我が家の暖房費は、これまでは、1カ月こんな感じでした。
灯油18Lが8本:2,000円×8本=16,000円
エアコン2台稼働の電気代が約25,000円
ということで、ざっと月41,000円。
とにかく、朝起きたら暖房を付けている寝室以外の部屋の温度は、だいたい3℃。
雪が降る前などは、0℃ということもけっこうあるので、朝は、ファンヒーターとエアコンのWで部屋を暖めることもしばしば。
この状態が、薪ストーブに変えてからは・・・
灯油18Lが5本:2,000円×5本=10,000円
エアコンの電気代が約18,000円
薪代が400円/day×30日=12,000円
でざっと月40,000円
まぁ、1月、2月は自宅の不要材木を燃やしていた分が多いので、薪代としては、3,000円弱しかかかっていませんが、まともに薪を購入したら、月12,000円はかかります。
ということで我が家では、暖房費としては、あまり変わらないです。
ちなみに、今はやりのペレットも試してみたのですが、ペレットは火力もあり、着火も簡単なんですが、消費ペースが速いです。
私は、10kg680円の普通の国産ペレットを購入して試したのですが、だいたい8時間で全てなくなりました。
ということで、我が家ではペレットは、着火剤代わりに使っています。
その2 ー部屋の温まり方が根本的に違ったー
薪ストーブの温まり方は、エアコンのようにスイッチを付けて10分後くらいには部屋がヌクヌクといったことはありません。
エアコンは、空気を直接暖めて暖を取りますが、薪ストーブは、空気だけでなく周りのものすべてをゆっくり暖めていきます。
このような熱の伝わり方を、輻射熱と言います。
そのため、薪ストーブで温まった部屋は、薪ストーブの薪が燃え尽きた後でも、外気が零下になる厳しい自然環境の場合は別だと思いますが、ぬくもりがしばらくの間残ることが多いです。
寒い場所から、自宅に帰って温かい部屋でほっとしたいところ、なかなか温かくならないのは、ちょっと困るので、我が家では、特に寒い日は、帰宅後、最初だけはエアコンで、あとは薪ストーブにしています。
その3 ー薪ストーブと言っても3種類あったー
薪ストーブと一言で言っても、素材により3種類の薪ストーブがあります。
この素材の違いによる特徴を下表にまとめてみました。
今回私が買った薪ストーブは、薄い鋼板製のものなんですが、その長所は、なんと言っても価格が安いというところです。
この価格差は、鋼板の厚さと構造の違いによるもので、1万円前後のものは、鋼板が薄く、構造も中は薪を燃やすスペースだけというシンプルなもの。
これに対して、数十万もする高価な薪ストーブは、鋼板の厚みもあり、二次燃焼※と呼ばれる、より高温で煙を再燃させる仕組みがあるなど、構造的にも多少複雑になります。
※二次燃焼とは、木材が燃えた一次燃焼後に発生した煙やススなどを、高温で再燃させ る仕組みで、一次燃焼の温度は、450℃前後に対し、二次燃焼が発生する温度は600℃くらいと言われています。
ちなみに、私が買ったのは、ホンマ製作所さんの「燃焼工房」という商品です。
近くのホームセンターで税込み¥9,980で買いましたが、Amazonさんでは、煙突もセットで税込み¥9,000から送料無料で売っていました。
この薪ストーブは、薄い鋼板製で屋外用ですが、私は、この薪ストーブの中に、キャンプ用耐熱コンロを組み込み、防火壁&耐熱煉瓦床台、二重煙突で屋内使用しています。
あくまで自己責任になりますが、やはり、屋外用のものを屋内で使うには、火災にならないように、構造的な防火リスクの低減に加え、燃焼時の薪ストーブの本体だけではなく、屋内外の煙突表面や薪ストーブに近い室内の壁面温度を実測して、徹底的に温度管理をする必要は、あると思います。
その他の長所として、すぐにストーブ周辺が温かくなることや、造りが単純なだけにメンテナンスもしやすく、出かけるときの完全消火もしやすいという点が挙げられます。
このように、コスパに優れて扱いやすい薄い鋼板製薪ストーブなんですが、短所もいくつかあります。
耐用年数をメーカーに問い合わせたところ、使う頻度や錆の有無等の状態にもよりますが、私が購入した薄い鋼板製の薪ストーブは、だいたい3~4年くらいではないでしょうかということです。
厚い鋼板製のものや鋳物の耐用寿命は、メーカーの目安としては、10年以上と説明しているメーカーもある中、3~4年は短いと思います。
さらに薄い鋼板製の薪ストーブは、一番最初にダメになる箇所は、薪ストーブの底にある目皿と呼ばれる薪を置く鉄製の棒で作られた台ということなので、本体がダメになる前に、このパーツの交換が、必要になる可能性が高いというお話もいただきました。
今回の私の薪ストーブの場合、薪ストーブの中に耐熱コンロを入れてストーブ底が直火にならない今回の構造で屋内使用しているので、さらに寿命は延びる可能性は考えられるとのことでしたが、さすがに10年はもたないと思います。
薄い鋼板製の薪ストーブは、その他にも、温度が安定しないことや、薪の消費量が多く、ススが多いなどの短所が見られます。
その4 ー薪ストーブ設置費用は、本体価格の2倍から3倍?ー
薪ストーブが欲しいなぁと思って、薪ストーブ購入する時は、設置する場所にもよりますが、だいたい薪ストーブ本体価格の2倍から3倍はみておいたほうがいいと思います。
ある薪ストーブメーカーの営業の方から聞いた話では、一般住宅に本体価格50万円前後の薪ストーブを設置する場合、100万円を下回ることは、今まで経験がないと言われていました。
実際、私の場合も薪ストーブの本体価格は、約1万円でしたが、煙突の追加費用や防火対策、金具小物等々で結局、トータル3万円かかりました。
やはり、本体価格の3倍でした。
その5 ーやかんのピーが鳴らないー
最後に、どうでもよいことなんですが、意外に思ったことが一つ。
我が家では、ガスレンジでやかんに水を入れてお湯を沸かす時に、沸騰したらやかんがぴーっと鳴る笛口のやかんを使っています。
このやかんにいっぱい水を入れて、薪ストーブにかけておくのですが、いつまでたってもぴーっと鳴らないんです。
薪ストーブの火は、ガンガン燃えていて、からもお湯が沸いているシューっという音は聞こえて、実際飲んでみるとちょうど良い加減のお湯なんです。
しかも、味がまろやか。
沸騰はしていないだけの話かも?ですが、ちょうどよいお湯ができてしまうのは、嬉しい短所ということでしょうか。
今度、温度を測ってみます。(笑)
まとめ
焚火ストーブを置いてみて、このように、嬉しかったことや想定外だったこと等々、いろいろあった中で、部屋の暖の取り方が変わりました。
でも、何より一番変わったのは、私も含めた家族の日常生活のあり方だったと感じています。
薪ストーブの部屋では、イライラすることもなく、時間も温度もゆっくり変わり、特に意識することもなく、気が付けば居心地の良い状態に自然となっているという感じです。
でも、それを実現させるには、薪の調達から薪割り、ストーブの掃除という手間を掛け、部屋が暖かくなるまで待つ時間もかかります。
それでも、この居心地の良さ、ほったらかしクッキングでできたあの何とも言えない味に出会ってから、生きるという原点を基準に生活を考えるようになりました。
環境のSDGsが叫ばれて久しい今の時代において、本当の環境を考えたSDGsとは何か?が身近になった気がします。
この冬に薪ストーブを置いたことによって、息子の生きる時代に向け、どのような生活スタイルが良いのか?その答えを薪ストーブの炎の1/fのゆらぎが教えてくれているような気がします。