50代で子育て専業主夫になった私の日記

50代で初めての長男が誕生し、何もかもが180度変わりました。そんな初めての世界に感じたことを気分転換も兼ねて日々綴っているブログです。

今どきの小学校の変化を見て、我が家で取り組む新しい教育形態とは?

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息子が、初めての終業式を皆勤で終え、長い長~い夏休み。

 

つい先日、学期末の初めての保護者懇談会に行ってきたボイジャーです。

 

1学期を終えて、息子の学校生活の状況や勉強の進捗具合等々を振り返り、懇談会でしっかり担任の先生と情報交換をしてきました。

 

息子の良い所や課題についてしっかり親も再認識し、課題の部分の底上げの方法を質問し、ご教授いただきました。

 

そのような中で、まず感じたのが、今の小学校は、私の小学校の時代とは違って、先生の忙しさが半端ないなぁと改めて思いました。

 

そして、その超多忙な先生の状態により、公立の小学校で今抱えている問題、さらには、その問題から子どもたちの学びも、しっかり親がコーディネートする時代になったのかなぁと感じました。

 

そこで、1学期を息子と一緒に過ごす過程で、今どきの公立小学校の現状を踏まえ、親が息子の学び方についていろいろ考えたことや、そこから思考した新しい発想と今、取り組んでいることについてお話ししたいと思います。

親の時代とはちょっと違う、今どきの小学校

私の妻は、現役の公立小学校教諭でかれこれ20年くらいになります。

 

私も、息子の子育てに入る前までは、7年間公立や私立の小中高で勤務していました。

 

今の学校の先生は、年々多忙が右肩上がりになっているのは、私が在職中の時からも感じていたことです。

 

先生になりたい若者が減ってきた

公立学校教員採用試験の倍率をみると、ピークだった平成12年度の13.3倍から令和3年度では、3.8倍に激減し、小学校だけに関して見ると、平成12年度の12.5倍から令和3年度では、2.6倍と深刻な状況です。

データ参照元:文部科学省「平成13年度公立学校教員採用選考試験の実施状況について」webサイト     

平成13年度公立学校教員採用選考試験の実施状況について:文部科学省

文部科学省「令和3年公立学校教員採用選考試験の実施状況」webサイト(PDF)

https://www.mext.go.jp/content/20220128-mxt_kyoikujinzai01-000020139-2.pdf

 

昨日も、岐阜県での小学校教員採用倍率は、2年連続で今期も2倍割れと報道されていました。

 

教員採用試験採用倍率の低下の原因は、一般企業のほうが大学新卒者求人倍率が1.58倍(2023年卒)であることや、初任給が数万円高いこと、比較的育休が取りやすくなった等々の一方で、昨今の教職員の長時間労働、モンスターペアレンツ問題も新聞で目にする機会も少なくない現状が拍車をかけているようです。

※リクルートワークス公表データ参照

https://www.works-i.com/research/works-report/2022/220426_kyujin.html

参考文献:京都府,いわゆる「教員採用試験競争率低下問題」の実際
~その現状と要因及び影響について~

http://www.kyoto-be.ne.jp/ed-center/cms_files/kenkyukiyo/0206.pdf

このような現状下で、公立学校は、教員不足に頭を悩ませているケースが急速に増えています。

   

特に小学校では、新卒の先生が初任で担任に就くケースも多くみられ、多忙に加え、子どもや保護者との臨時懇談が増えるなどで、精神的にも疲労が重なり長期休暇や退職というケースも耳にします。

 

もちろん、学校には、ベテランの先生が多くおられるのですが、新卒者の世代職業観の違い、組織内での働き方スキルがほとんどないなどフォローする側の難しさもあります。

 

ちなみに、、小学校1年生の息子の担任は、新卒初任の先生です。

小学校の特別支援学級が増えている?

発達障害や発達特性が見られる児童等で、保護者が自分の子どもに適した教育支援を希望する場合に対応する学びの場として、特別支援学級があります。

 

特別支援学級は、必要時に通常の公立小中学校内に設置されます。

 

特別支援学級を希望する保護者の児童は、学校での学びを終始特別支援学級で行う場合と、通常は普通学級で学び、特別に支援が必要な分野のみ特別支援学級で行う「通級」と呼ばれる場合の2パターンがあります。

 

この特別支援学級在籍児童生徒数および通級の児童生徒数が増えてきています。

出典:文部科学省、令和2年度発達障害支援の地域連携に係る全国合同会議

「特別支援教育行政の現状及び令和3年度事業について」P5,P6

http://www.rehab.go.jp/application/files/5216/1550/6855/2_.pdf

 

文部科学省のまとめた上記データを見ると、特別支援学級在籍児童生徒、通級の児童生徒ともに自閉症、情緒障害の数の増加が顕著になっています。

 

学校全体としては、当然、特別支援学級の設置数だけ教員の増員をする必要がありますが、これは、辛くも教員を確保できれば児童の学びへの影響の可能性は少ないと思います。

 

問題は、小学校での通級の場合なんです。

 

増え続けている注意欠陥多動性障害、学習障害、自閉症、情緒障害の児童生徒が普通学級で授業を受ける際の担任の負担は相当なものになると思います。

 

その深刻さを示すものとして、下記のような調査結果結果も出ています。

「通常学級での特別支援教育に対する教員の意識に関する一考察
―小学校教員へのインタビュー調査を通して―」

宇都宮大学共同教育学部教育実践紀要 第8号 別刷
2021年8月31日

http://file:///C:/Users/user/Downloads/24333506-8-49_58%20(1).pdf

 

実際に、私も数年前に教職員時代に教室で担任の補助としてクラスに入った経験があるのですが、通級の多動の児童が一人、クラスにいたことがありました。

 

通常、担任の補助者は、学習中に学習理解が困難な児童がいないか見て回り、困っていた児童がいればヘルプする役割です。

 

T2とも呼ばれ、1クラス30人前後の児童がいる中、大規模校では、よく見かけられます。

 

その多動の児童は、当然ながら教室内を歩き回り、時には教室外に出ていきそうになるので、この児童にほとんどつきっきりになってしまい、その他の児童の見回りどころではなくなってしまいました。

 

同じような光景を、他の小学校でも目にしたことがあります。

 

私の場合は、多動の児童が一人だけだったので、なんとかなったのですが、今は、1クラスに2人、3人と同様の児童が見られることも珍しくないと思うのですが、そうなると、担任の先生の負担は、想像に絶するものがあると思います。

勉強は、小学校で学ぶことが基本?

小学生の勉強は、学校に加えて塾に通わせる場合も多いとは思いますが、やはり、学習のメインは、学校で先生に勉強を教えてもらうというイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか?

 

我が家でも、息子がまだ幼稚園に通ている頃は、息子が小学校に上がって、勉強は学校でしっかり教えてくれるので、まぁ宿題のフォローを細かくしていけば、問題ないかなぁと思っていました。

 

息子は、診断名がつかないまでも、結構、こだわりが強く、間違った時に優しく注意しても、すぐにフリーズすることが多い特性をもっています。

 

いわゆるグレーゾーンのような状態なので、学校の授業でもベテランのT2の先生にお世話になっているのだろうなぁと思っていたのですが・・・。

 

息子のクラスには、通級ではないものの攻撃的なADHDの疑いがある児童が1人見られたので、T2の先生は、その児童につきっきり状態になっていました。

 

また、息子のクラスには、その児童以外にも、息子と同じくフォローがないと学習を進めることが難しいと思われる児童が数人いるようなので、新卒初任の担任の先生もいっぱいいっぱいのようです。

 

そのような状況下での1学期の初めてのテストも、かなり良くなかったので、担任の先生とも相談し、学校の授業で児童が行っている学習プリントの間違った所や宿題プリントで間違った所の直し学習は、自宅ですることにしました。

 

これを機に、息子の小学校の現状を踏まえて、妻と話し合い、息子の学ばせ方は、今後は、親主導で行うことにしました。

 

やはり、息子の良い面も親が一番わかっているので、その面を十分に伸ばすボーダレスな教育方法で進めることが、息子の弱点を相殺して余りある、息子にとってプラスになるのではないか?と思いました。

 

ということで、今後は、学校は、自宅では体現できない集団生活・作業の中でのコミュニケーション力を伸ばす、我慢すべきところは我慢する、自分の意見をはっきり言う等のメンタル力向上としての役割を主と考え、知見を深める学びは、親が息子と試行錯誤しながら進めることにしました。

我が家で取り組む、これからの学びの形態とは?

息子への学びへの新たな考え方の核は、息子が興味のある“こと・もの”の実現です。

 

子どもは、好きなことに夢中になると、その集中力や思考力は、驚くほど強いパワーを発揮します。

 

このパワーを学びの動力源として、好きなことの実現を重ねることにより、結果的に学力も向上するという考え方です。

【具体的な学ばせ方】

息子のおにぎり屋さんの例

つい先日、息子が、おにぎり屋さんをしたいので、作ってほしいものがあると言ってきました。

 

とりあえず、どんなものかわかるように絵をかいて欲しいとお願いして、描いてきたのがこれです。

四角の角柱2つで上下の板を固定して、おにぎり屋さんのカウンターのようなものが欲しいとのことでした。

 

材料は、妻が用意したもので、材料サイズは以下の通り。

角柱:100cm×2㎝×2㎝が2本

板 :100cm×20cm×1cmが2枚

 

最初は、高さが1mで幅も1mのものを想定していたようですが、板の幅が20cmなので、倒れやすいことを息子に伝え、寸法的には半分の50cm×50cmのものを2つ作ることで納得しました。

 

あと、柱と板の固定は、ネジと書いてありましたが、一辺が2cmの角柱を固定するには、ネジでは、柱がぐらつき、ひび割れて壊れる可能性があるので、板に一辺が2cmの穴を開けて柱を板に突っ込む方式にすることで決まりました。

 

早速、本人にスケールを渡して、材料の長さを測り、一緒に切断する箇所に線を引きました。

 

線を引く場所は、板の端から何cmのところにすればよいか?算数です。

 

板には、まち切れなかったようで、すでにいろいろ文字が書かれていました。(国語)

必死になって、何cmになるのか?考えていました。(^▽^)/

 

切断する箇所に線を引き終わったら、いよいよ材料の切断です。

今回は、子どもが扱うので電動工具ではなく、ノコギリを使いました。

 

ノコギリの引き方を説明して、最初は一緒に、できるだけまっすぐに切れるように頑張りました。(道具の使い方を知る)

全部切れたところで、最後の柱の穴あけは、ノミを使うので、さすがにここは、私が開けました。

そして、できたのがこれです。

文字を書く方向や並びは不完全ですが、込められた思いは伝わってきます。

 

そして、本日おにぎり屋さん開店でした!

朝からおいしいおにぎりをいただきました。

 

この例以外にも、京都大学の先生と一緒に里山での食部調査のフィールドワークを約9カ月かけて行っていることや、京都教育大学環境教育実践センターで米や農作物の栽培方法を約9カ月かけて体験させていただいたり等々、いろいろ参加させていただいています。

まとめ

今日の新聞記事でも、文部科学省が、今月より公立学校教員の勤務実態調査に乗り出したとありました。

 

仮に、この調査結果から長時間労働が明らかになった場合、道理で考えるなら、教員数を増やすか、業務内容を減らす、又は簡略化する流れになるのでは?と思います。

 

そうなれば、今の児童の実態を考えると、学校で教える限界ができてしまうと個人的には推察します。

 

これは、誰が良くないからだとか、どこが良くないという話ではなく、まず考えないといけないことは、子どもの最終責任者である親が、しっかり子どもを見据え、このような現状でも、子どもの特性に応じた短所を相殺して余りある長所を伸ばすコーディネートを行う時代になったということではないかと感じています。

 

そして、親は、その長所を伸ばすためにできるだけ多くの機会を子どもに提供し、子どもが自分の得意分野で突き抜けることを目指せたら、きっと良い方向に向かうのでは?と思っています。

 

これは、もちろん、子どもが望まない方向へ親がレールを敷いて歩ませるというようなものではなく、子どもが興味のある先を照らす役割を果たすということだと思っています。

 

そのためには、やはり自分の子どもの客観的な学力把握のために、学習指導要領の把握を行いつつのユニークな学びの前進になると思いますので、焦らずじっくり取り組んでいきたいと思っています。