出典:パブリックドメインQ
- 子育て専業主夫は、想像をはるかに超えた仕事だった
- 時間がかかる一番の原因は子どもの機嫌
- 幼稚園、保育園はまだまだ女性社会
- サラリーマンから家事・育児専業主夫に転身後、実感したこと
- 家事・育児専業主夫に潜む危険
- まとめ
こんばんは。息子が2歳半の時に、一大決心をして専業子育て主夫になり、2年と3カ月目になったボイジャーです。
現在息子は、幼稚園の年中さんになり、毎日、元気いっぱい底なしパワーです。
我が家では、息子が2歳半になるまでは、妻が家事・育児で私が仕事をしていましたが、2歳半からは、 妻と交代で私が家事・育児、妻が仕事(職場復帰)をすることにしました。
交代してから、2年とちょっと経ち、最近になってやっと家事・育児というものがどのようなものか?ということが色々わかってきました。
また、日本では、まだまだ家事・育児は女性が担当されている世帯が多いのではないかと思います。
そのような中で、家事や子育てを男性が主になってやってみて、よかったなぁと感じたことや、気づき、そして、課題もいくつかあると思ったので今回、まとめてみました。
子育て専業主夫は、想像をはるかに超えた仕事だった
私が実際、家事・子育を担当するまでは、学校現場で教職員をしていた普通のサラリーマンでした。
それまでの私の子育てされている世の専業主婦さんの印象は、正直、子どもは大変だろうけどやっぱり働いている方がストレスもたまるし、特に帰りの長い通勤時間はクタクタになるしで断然働いている方が大変と思っていました。
あくまで我が家の場合ですが・・・。
ちなみに当時の私の通勤時間は、自転車とJRと徒歩で片道1時間半から2時間。
そんな感じだったので、2年前の4月に私が子育てを担当して、妻が働くといったことにチェンジする直前までは、”余裕で楽勝や”と軽く思っていました。
しかし、実際やってみると傍から見るとでは雲泥の差で、それはそれは想像をはるかに超えるものでした。
とにかく、子どもが、コバンザメ状態で横に常時貼り付いて、自分のことはまずできません。
私が手洗いに行っている間も、一緒です。
ただ、横にくっついているだけだったらまだいいのですが、30秒に1回、“パパ見て見て!”と“パパ、これ何?”の連続。
3歳までは、お試し幼稚園で週1回だけ午前保育があったのですが、その他はずーっと私と一緒なのです。あたりまえなのですが・・・。
時間がかかる一番の原因は子どもの機嫌
息子が4歳にもなると、だいぶ話をしてわかるようになってきたのですが、それまでは、本当に大変でした。
まぁ、4歳になった今は今で、また、これまでになかった大変さがあるので、残念ながら日常の忙しさが解消されているわけではないんですが。
それでも2歳児の時からずっーと共通して、一番忙しくなる原因は、子どもの機嫌です。
子どもが1日中ご機嫌さんであれば、おそらく家事も育児も比較的スムーズにこなせると思います。
でも、そんな楽園のようなことはまず無いですね。
子どもは、あたりまえですが大人のような訳にはいきません。
2歳児の時は、朝、いつ起きてくるかわからない状況で、起きてきたら間髪入れず「パパ、牛乳」、「パン食べる」など注文が飛んできました。
その注文どおりこなしたとしても、子どもが牛乳をじゃーっとこぼしたとか、焼いたパンを十分冷まして出しても“熱い~”とか、何か自分の中で引っかかった場合、自宅の外にまで聞こえる大音量で泣きじゃくって大変になります。
その度に、手を止めて対応しなくてはならないので、時間がいくらあっても足りません。
いまでこそ、当時を振り返ってみると子育ての過程でごくあたりまえのことばかりだなぁって思えます。
でも、その当時は、子育てを担当した時点からプライバシーというものが日常からなくなり、度重なるイレギュラーに時間を取られ、思い通りにならないと大音量で容赦なく泣きじゃくる、近所から虐待で通報されるのではないか?という不安の連続で、余裕が全くなかったんですね。
正に魔の2歳児を経験しました。
私は、趣味で40歳過ぎまで20年以上自転車で遠距離旅行をしたり、競技に出たりして体力には自信があったのですが、50歳を過ぎてからの子育てがこれほど大変とは思いませんでした。
子どもの気持ちは、頭ではわかっているのですが、正直、体がついてこないんですね。
同じ年頃の子どもの子育てをされているお母さんが、疲れ切った顔をされているのをよく見かけますが、本当にそのような気持ちがよくわかりました。
幼稚園、保育園はまだまだ女性社会
息子も3歳になり、年少さんとして入園し、1学期が終了した時点で外での保育について、いろいろ感じる所がありました。
最近では、男性も育児休暇を取って積極的な子育て参加をしましょう!という会社も出てきて、イクメンとか言われていますよね。
個人的には、いい世の中になってきたなぁと思ってます。
でも、このように男性が子育て参加をしやすい制度がある反面、実際、男性が子育てをメインで担当しても、世間の育児の実状は、女性が9割以上の女性社会だなぁと感じました。
そのように感じたところをちょっと挙げてみますと、
・息子の幼稚園参観日の参加保護者は、私以外全員女性。
・幼稚園のPTAメンバーも当然、私以外全員女性。
・同じ幼稚園のお母さん同士は、ママ友グループで情報交換をしながら、子どもたちと関わっているけれど、お互い結婚している異性という立場を踏まえると、男性がこのようなグループに参加するのは、無理がある。
(その部分は、妻のママ友があるようなので任せている)
・幼稚園の行事で、歌に合わせて親子で体を動かす、親子のふれあい参観というのがあったのですが、その時の歌にも、先生からの動作説明にも「お母さんと一緒に○○しようね」というフレーズになっていて、お父さんは登場せず。
(このケースだけではなく、外部から女性の講師の先生が来られた別の行事の時でも同じでした)
・2歳半の時に、自治体主催の保護者同伴での保育施設に通っていたのですが、参加者は、私以外全員女性。1歳児も来ていたので、その場で授乳される方もおられ(屋外でも授乳できる仕様の服装をされてはいました)、男性としては、少々居づらかったです。
まぁ、以上のような参加保護者が私以外、全員女性という極端な状態は、私の住んでいる所が田舎なのでということもあるかもしれないと思いますが、おそらく、日本ではまだまだ、幼児の育児は女性が担当する場合が大多数なんじゃないかなぁ?と思います。
そのような中で、幼稚園の女性の保護者の皆さんとのあいだで、特にトラブルとかは全くないのですが、正直、これから本格的にPTA活動にも参加していかなくてはいけないので、だいじょうぶかなぁ?とちょっと不安は感じます。
サラリーマンから家事・育児専業主夫に転身後、実感したこと
私は、約25年のサラリーマン勤めの後、家事・育児専業になりました。
しばらくして、その2つの間には、致命的な異なるところがあることに気づかされました。
それは・・・。
時間的にサラリーマンは、時間限定作業ですが、家事・育児は24時間営業のコンビニでずーっと働いているようなものということです。
ワンオペなんて正にこの状態だと思います。
そんなこと言っても、ずーっと自宅にいるわけだし、隙間時間が結構あって実際はそんなにストレスフルでタイトな一日ではないのでは?
と思われる方もおられるかもしれません。
確かに、家事だけ担当している専業主夫(主婦でも同じだと思いますが)であれば、その通り!だと思いますが、これに育児が加わると、事情が180度変わるんです。
先にも一言だけ書きましたが、子どもがいる時は、まず、自分のことはできません。
子どもは、好奇心の塊で、新しいものが目に入れば、すぐに近寄って、あわゆくば手でなんの迷いもなくさわりまくります。
いつ、何をするのかわからないので心配で、子どもから本当に目が離せないんですよ。
食事の材料を買うために買い物に出かけること一つをとっても、子どもの準備をしてから子どもと一緒に行くので、自分だけで行くときに比べて倍ほど時間がかかります。
これに途中で子どもの機嫌がわるくなりでもしたら、さらに時間がかかります。
と言う感じで、時間の段取りを更新しながら、息子を常時、見ておく必要があるので、サラリーマン以上に疲れます。
家事・育児専業主夫に潜む危険
私自身は、家事・育児専業主夫も立派な一つの仕事だと思っています。
そして、どんなに眠たくても、風邪をこじらしても、家事・育児は、自分の仕事と思い頑張ってやってきましたが、実はこれが大きな落とし穴だったんです。
家事・育児専業主夫を担当して1年くらい経ったある日、突然の胸周辺の傷みとすごい腹痛が続き、いつもお世話になっている大きな病院で血液検査、胃カメラ、大腸ファイバー等を行いました。
胃カメラの時に、組織も取って検査に回しましたと帰り際に言われたので、ひょっとしてやばいかも?と半分ブルーな気分で1か月後の検査結果を聞きに行きました。
その結果、帯状疱疹とストレスからくる過敏性腸症候群と言われました。
とりあえず、最悪な状況は回避できたのでほっとしたのですが、この結果は、明らかに子育てから来るものでした。
今回、私はこのような形でしたが、人によっては鬱病になる出産後鬱やさらに状況が進み、自分で現世を去られる方もおられ、深刻な問題になっています。
特に子育て主夫は、母数がまだまだ少ないので、ママ友のような子育てグループがない場合が多いと思います。
そのような中、孤立感がきっとあるのではないかなぁと思うので、ストレスを逃がす先をどのようにするのか?ということを考えておくことは、重要だと思います。
まとめ
小泉環境大臣が、少し前に自らも育児休暇を取得して、男性の育児休暇取得推進を世論にアピールし、制度としては徐々に男性育休が取得できる世の中に変わりつつあります。
そのような中、男性育休中の所得補償の問題や、まだまだ幼児保育の社会は、女性社会の色が濃いという所もあり、現状の日本では、男性が主になっての子育ては難しいところがあると個人的には感じます。
しかしながら、医学的には親子関係の愛情の絆を考える場合、父親が子育てをしたほうがいいことがわかっています。
その理由は、立命館アジア太平洋大学学長である出口治明先生の著書『「教える」ということ』に書かれています。
東京大学の池谷裕二さんが、著書「パパは脳科学者:子どもを育てる脳科学」(クレヨンハウス)の中で書かれていますが、女性が出産する際には、脳内で「オキシトシン」というホルモンが大量に分泌されます。
オキシトシンは、別名「幸せホルモン」「愛着ホルモン」「絆ホルモン」と呼ばれていて、オキシトシンが体内で放出されると、母親は赤ちゃんと深い愛情で結ばれます。母親が子育てを厭わないのは、オキシトシンが分泌されているからです。
一方男性の場合は、オキシトシンは自然には分泌されません。男性は、実際に子どもを育てる作業を通じてオキシトシンが分泌されます。つまり、「子育て」と言うプロセスを経ることでオキシトシンの分泌が促され、子どもに対する愛情が芽生えるのです。
男性の場合は、子どもがかわいいから面倒を見るのではなく、面倒を見るからかわいいという気持ちがうまれるのです。
引用元:出口治明著『「教えると」いうこと』p68,69
このようなことからも、男性も育児を率先してやったほうが個人的には良いと思います。
但し、大切な注意点として「子育て」は、主になって子どもと関わる担当のような存在は、もちろんあったほうが良いと思いますが、決して一人で頑張りすぎないことです。
実際、2年とちょっと子育てを主担当でやってみて、一人だけでできるものではないなぁと感じました。
そのため、私が病気になったのを機に、我が家では、息子の面倒を妻、妻の父母、従妹夫婦の協力を得て、私が少しきつくなってきたタイミングとそれぞれの都合を見計らって、土曜日の日中8時間などを私の休息時間にしてもらったりしています。
これは、本当に助かります。
そのお返しに、私は元々電機会社で技術者をしていたので、電気設備はビルレベルでもいじることができ、また、コンピューターもサーバーネットワークからPCまでわかることから、そちら方面で何かあれば対応してあげています。
もちろん、妻のパソコンや学校ICTに関する相談は常時対応してますよ。(笑)
子育ては、頑張りすぎては、親子共倒れになりかねません。
今では、子どもがべったり横についている間は、子どもが学ぶ時間だと思い、しっかり一緒に過ごしています。
多少家事が残っても妻にまかせたり、やらないで我慢できることは、やらないという選択をしてます。
この他者を頼るということも、子育てがなければ、一生経験がなかったかもしれません。
このようにして、親も子育てと同時に学び成長していくんだなと息子を取り巻く多くの人に感謝しながら、息子と今を楽しく過ごしています。