桜も遅咲きのしだれ桜や山桜が春の盛りを感じさせるこのごろ、6歳の息子も毎日元気よくはじめての小学校に通い始めました。
その息子と、今週初めの日曜日に私の住んでいる隣町の京都府船井郡京丹波町にある「わち山野草の森」へ、6歳の息子と行ってきました。
車で行ってきたので、自宅からは、1時間もかからなかったです。
京都市内からであれば、京都縦貫自動車道を通って和知ICで降りてすぐのところなので、1時間くらいで訪れることができます。
定休日:火曜日(祝日の場合は、翌水曜日がお休みになります)
年末年始は、12月29日~1月4日までお休みになります。
ゴールデンウィークは、無休です!
開園時間:9:00~17:00(入園は、16時まで)
公園内にレストラン、食堂、食べ物の売店等は、ありませんが、お弁当を持ち込みで食事することはOKです。
但し、ゴミ箱やゴミ捨てスポットはないので、ゴミは、各自持ち帰りになります。
入園料:大人(中学生以上)310円、子ども170円
身体障碍者割引:160円(身体障碍者手帳が必要)
子育て支援パスポート※、タキイ友の会会員証提示で割引あり
※子育て支援パスポートは、18歳未満のお子様の子育て家庭の方、現在妊娠中の方が対象の自治体窓口のサービスで、ステッカーが掲示された協賛店でパスポートを提示すると、各店の独自のサービスを受けることができるというものです。
「わち山野草の森」の「わち」は、この土地の旧名(和知町)なんです。
旧和知町は、2005年10月に隣接する旧丹波町と旧瑞穂町と合併して現在の京丹波町になったので、今では住所に和知の文字はなくなりました。
唯一JRの駅名は、和知駅として残っています。
この「わち山野草の森」は、以前から名前は知っていたのですが、実は訪れるのは初めてなんです。
今回、「わち山野草の森」に出かけることになったきっかけは、日本の在来タンポポについてわからない所があり、その答えを求めてのお出かけでした。
息子は、診断名はつかないまでも、情緒的に課題が少なくないため、些細なことでもフリーズしやすい性格で、それが、コミュニケーションや勉強をやっていく上でかなりのリスクになっています。
とにかく、正攻法で私が息子の横につきっきりで、一緒に勉強を進めても、少しでも、うまくいかないと電気のスイッチが切れたようにストップしてしまうんです。
息子のこの特性を解消するために、幼稚園の時から、あの手この手でいろいろ試して行きついたところが、体を動かしながら、自然の中で子どもに多くの“なぜ?”を誘発させ、その”なぜ?”を深掘りしていく過程で、子どもの探求心を原動力とする子どもの欲求から、しぜんに、国語力や算数力等の学力を高める学びの機会を用意することでした。
具体的には、息子の好きな電車、虫、身近な草花をテーマにした散歩やサイクリングです。
その一つの試みとして、今回は、たんぽぽでした。
毎年3月に、自宅の近くの土手にシロバナタンポポと言う白いたんぽぽが咲くのです。
京都府では、珍しいと思うのですが約80株の群生を見ることができます。
今年もこのシロバナタンポポが咲き始めたのを見計らって、咲いている前を息子と歩いていると。。。
パパ、この花何?
と言ってきました。
これは、たんぽぽだよ。
と言うと、息子はちょっと不思議そうな顔をして
たんぽぽは、きいろ!
と言ってきました。
そだね、たんぽぽは、黄色だね。でも白いたんぽぽも、あるんだよ。
隣に咲いていた黄色いたんぽぽを息子に見せて、“これは、セイヨウタンポポと言って、外国からきたたんぽぽ。”と説明しました。
そこから、白いたんぽぽ探しが始まったんです。
でも、この息子との白いたんぽぽ探しは、実は、私が昨年末くらいから息子の学びの材料の軸として密かに計画を練っていたネタなんです。
うまく、しぜんの流れでのってきてくれたので一安心です。
そのような感じで、白いたんぽぽ探しを始めたのですが、息子と一緒に探していくうちに、どうせなら日本の在来タンポポがどのくらいあるかも調べてみようということになりました。
日本の在来タンポポは、絶滅危惧がされているとネットでもよく言われているので、さぞかし見つけるのは、骨が折れるだろうなぁ~と思いきや、セイヨウタンポポが多い中、結構、あちらこちらで日本の在来タンポポのカンサイタンポポが見つかりました。
調査が進むにつれ、次々カンサイタンポポが見つかるので、本当にカンサイタンポポなのだろうか?とちょっと不安になってきました。
でも、判別をネットや本で確認する限りでは、カンサイタンポポだと思うものの、やっぱり素人なので自信がなく、困った末、妻から今回のわち山野草の森に行ったらわかるかもしれないというアドバイスをもらったので、行くことにしました。
わち山野草の森で今のタンポポ事情に“えっ?”
早速、スマホで撮影したカンサイタンポポの写真をわち山野草の森の方に見ていただき、鑑定をお願いしました。
結果は、“これは、カンサイタンポポと呼んで良いたんぽぽだと思いますね。”
と言われました。
当初、日本の在来タンポポは、魚のブルーギルやブラックバスと言った外来種が日本のもろこなどの在来淡水魚を駆逐して絶滅危惧に近づいているのと同様、“日本のタンポポ=絶滅危惧!”というイメージを持っていたので、ちょっと意外でした。
こんなに簡単に日本の在来タンポポが見つかるとは、ちょっと拍子抜けした感じだったのですが、日本のタンポポ事情について、お話をいただき、ちょっと意外な展開になってきました。
そのお話によると、外来種のセイヨウタンポポが、在来種のタンポポを駆逐して絶滅危惧に瀕しているというのは、少し違って、実情は、セイヨウタンポポと日本の在来種のタンポポの交配が進み、雑種のタンポポが増えているとのこと。
ここで、ちょっと私の当初の思惑が、危うい雲行きになりそう。。。
どういうことかと言いますと、このタンポポ調査の目的は、環境調査の一環として、我が町の自然らしさの状態を見てみよう!という大義を想定していたんです。
そのために、自然らしさの環境指標に使えることで知られているタンポポを、使おうということにしていたのですが、雑種が多くなってきているということで、正確な在来種の分布がわからなくなる可能性が高くなり、判定が難しくなるかも?
ということで、今回の調査の着地点が宙に浮いたままの状態になってしまったのです。
さぁ、どうする?
わち山野草の森で息子の初めての体験
このやり始めたタンポポ調査の着地点をどうしきりなおすか?は、今しばらく考えるとして、せっかくわち山野草の森まで出向いたので、じっくり息子と散策してみました。
私もわち山野草の森は初めてだったので、ちょっとした自然庭園かなぁ?くらいに思っていたのですが、これが、なんと山一つ丸ごとを含む約12haの広大な自然公園なんです。
公園内の植物も、約900種類にのぼり、日本の四季が感じられます。
また、この山野草の森には、野鳥も多くみられます。
今回は、春らしくウグイスの鳴き声が森に響いていました。
そのような山野草の森を歩いていくと、ここにもありました。
シロバナタンポポです。
隣は、カンサイタンポポでこれも在来種です。
それでも、シロバナタンポポは、全部で10株くらいでした。
公園内の遊歩道は、山道の階段を除いては、坂はあるものの車椅子で散策されている方もおられました。
先に進むときれいなヤマブキが咲いていました。
その並びにちょっと変わったヤマブキでヤエヤマブキも咲いていました。
横に流れる由良川側には、八重桜が満開です。
このような春を満喫できる道を川沿いにしばらく歩いていくと、いよいよ山道になります。
この道を登りきると、休憩場所がありました。
ここには、水道がありました。
ここから、さらに山道を登っていくと,わち山野草の森の係員さんから今が見ごろと聞かされていたイワカガミがきれいに咲いていました。
山を下りて、公園の真ん中のあたりには、小川のせせらぎが聞こえてくる遊歩道があり、その脇におもしろいものがありました。
これなんだと思います?
これ、実はフキノトウの綿帽子なんです。
息子もタンポポの綿帽子吹きならぬフキノトウの綿帽子吹きに挑戦!
そして、このあと杉の大木が倒されていた上に登って丸太渡りをしてご機嫌でした。
息子は、この丸太渡りの遊びが気に入ったらしく、ここでしばらく遊んで帰ることに。。。
帰り道も、水芭蕉やウラシマソウを見ることができました。
息子は、このウラシマソウを見て、ウツボカズラ?と言っていました。
このほかにも、イカリソウとか源平菊、花が終わったカタクリ等々、非常に多くの草花を息子と見て回りました。
そして歩きながら、周りを見上げると、この森の命の光が感じられたので、その映像を載せて終わりたいと思います。
ちょっと、息子の声でお聞き苦しいところがあります。(謝;)
まとめ
わち山野草の森は、子どもの遊具やバーベキュースペースと言うようなものはなく、ある意味、何もありません。
でも、ここには、豊かな自然の中で、どの植物も活き活きしています。
その元気な植物があるから、様々な野鳥もやってきます。
このような森の中に身を置くと、心地よく感じられる命の気のパワーのようなものを感じます。
そして、ゆっくり、しっかり命を紡いでいる草木に、無条件に生きるということの原点を見たように思えました。
また、この山野草の森を訪れて、もう一つ感じたのが、山中の木の下がきれいに下刈りされていて、どの道にもゴミ一つ見られないというところ。
本当に、ゴミが落ちていない!
これだけ広大なエリアで、ゴミがない時間を過ごしたのは正直、これまでなかったと思います。
でも、これが本来の姿なんでしょうね。
息子も、私と同じように感じたらしく、この場所を気に入ったようで、また来たい!と言っていました。