今日も、夜から夜勤のグランピングスタッフのボイジャーです。
子育てをしながら、自宅から車で30分ほどの所にある温泉ホテルに併設されているグランピングに勤めています。
この職場に来た当時は、契約書の職種欄を見ると、キャンプ場の接客とかかれていたので、てっきりキャンプ場の管理棟で事務でもするのかなぁ?という感じでした。
初日に、現場入りしてまず目にしたのは、大きなテントサイトが区画ごとに建てられていて、その建物の種類もテントばかりではなくて、コテージやトレーラーハウスがあっりました。
入り口には、会社の名前の最後に英語で「gramping」と表示されていたので、グランピングって何だろうと思っていました。
そんな私も早6年目になると、酸いも甘いもわかるようになってきました。
「グラマラス」と「キャンピング」の造語として誕生したグランピングは、2005年にイギリスで発祥したとされています。しかし、そのスタイルは、古くは16世紀のヨーロッパに見られた王様の豪華な野営に発し、それからも、19世紀から20世紀の初めに活発だったイギリス、フランス、イタリアなどの植民地において、貴族が統治者として赴任した時から総督府等の建物が完成するまでの豪華な仮住まいに見られました。
正に辺境の地にあっても、本国と何ら変わることのない快適で豪華な生活を担保した「王様のキャンプ」が、グランピングのルーツと思われます。
このスタイルは、植民地時代が終わった後にも、「ラグジュアリーキャンプ」と呼ばれ、普段は、都会の喧騒の中でビジネスに邁進し、休日は、大自然の中でゆったりと快適な生活をしたい層向けの人々に利用されています。
王様のキャンプ時代と今のグランピングを比較すると、共通している所は、どのような地にあっても、普段の快適さはそのままという所。
一方、変わったと思われる所は、王様のキャンプ時代は、領土確保のため、仕方なしに辺境の地に滞在したと思うのですが、今の時代のグランピングでは、休養のため、自ら進んで自然の中に身を置くというところです。
日本では、グランピングとして世の中にサービスを始めたのは、2015年10月に開業した星のリゾートさんの「星のや富士」さんだそうです。
それから5年半後の今、純粋にグランピングとしてサービス提供しているところは、100件を超え、ホテル併設等を含めると300件以上に上ります。
特に新型コロナ禍が発生してから、注目度が上がりました。
参考出典:(社)JGLAホームページ http://glamping.or.jp/about-glamping.html
(株)星野リゾートホームページ https://www.hoshinoresorts.com/sp/glamping/
今回は、そんなグランピングで毎回、お客様からヘルプの多いベスト3を事前に知っていただいた上で、グランピングでの楽しいひと時を、終始満喫していただければいいなぁという思いで記事にしました。
すべてのこんなはずじゃ~は、campとglampingは、こう違う!から始まった
皆さんは、キャンプとグランピングの違いってご存じでしょうか?
私もこの職に就いて初めて知ったので少し簡単にお話ししたいと思います。
キャンプは、多くの皆さんもご存じのことと思いますが、基本的にテントも食料も全部持参で場所だけお借りしてテント宿するという感じです。
トイレがちょっと・・・の場合も多いですよね。
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一方、グランピングは、大きなテントやコテージ、トレーラーハウスといった宿泊設備に、照明、冷暖房器具、ケトル(湯沸かしポット)完備、ベッドに電源コンセントがあり、外には食事スペースのテーブルにバーベキューグリル、焚火スペース等がセットされています。
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もう、この光景を到着時に目にした時点で、ワクワク感が溢れてきます!
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食事も有料ですが、用意されていて、焼くだけとか、鍋をかけるだけの状態で食事ができます。
もちろん、お酒も豊富に用意されています。
このように、キャンプは、テントの設営から食事の準備まで、すべて自分たちで行わなくてはいけないのに対して、グランピングは、基本的にその場所に手ぶらで言っても手軽にすぐにバーベキューなどの料理が楽しめ、夜はベッドでゆっくり寝られるという野外活動の良いとこ取りをしたものです。
そして、かかる費用は、キャンプは安いですが、グランピングは、元々富裕層向けのサービスなので値段が高いのが普通です。
最近のグランピングは、1人一泊二食付きで2万円前後の所もよく見られますが、明らかに一室10万円以上する高級グランピングとは、設備が違いますね。
そのようなことから、大抵のグランピングのパンフレットには、きれいなテント内に大きなベッドがある写真が掲載され、‟冷暖房完備で手ぶらでキャンプができます”というようなキャッチフレーズなどが載っています。
でも、グランピングにも2万円前後のクラスと10万円以上のクラスは、何度も繰り返しになりますが、設備が違うんです。
当然と言えば、当然なんですが。
ここで、おそらくグランピングに来られる方は、‟グランピング→手ぶらでキャンプ体験→居住空間は、快適”というイメージで来られるんだと思います。
グランピング=快適環境
のイメージが強い。
このイメージは、決して間違いではないのですが、グランピングの快適環境は、シティホテルの快適さとは、異なると思います。
そして、そのギャップがダイレクトに感じられ、‟こんなはずじゃ~なかった”は、夜も更けるころにやってくるんです。
そうならないために、大抵のグランピングサービスのホームページでは、事前に注意することとがあれば、掲載されているんですが。。。
グランピングの宿泊タイプいろいろ
グランピングで宿泊する施設のタイプは、昨年末頃から流行り出したドーム型テント、横長の大型テント、三角テント、トレーラーハウス、キャビン、コテージ等いろいろあります。
それでは、グランピングで代表的な施設を簡単に紹介します。
ドーム型テント
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横長の大型テント
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三角テント
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トレーラーハウス
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キャビン
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コテージ
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ざっと宿泊設備を見ていただきましたが、重要なのは、これらの各種類にもランクがあるということです。
どういうことかと言いますと、キャビンやコテージであれば断熱効果が優れている建材を使用しているかどうか?で明らかに、室温の快適さは変わります。
また、テントでは、テントの材質、構造でも温度差は出てきます。
選んだグランピングサービスの値段で、この辺りは変わってくるのだと思います。
こんなはずじゃ~なかったは、決まって夜更けにやってくるBEST3
このように、至れり尽くせりのグランピングなんですが、ほぼ、毎日何かしらお客様から‟こんなはずじゃ~・・・”のヘルプがあります。
それでは、ベスト3を第3位から順番に見てみましょう。
第3位 野生の動物がそばまできて大丈夫?(怖~い)
グランピングがあるところは、自然の中なので、当然、人間より野生動物のほうが多いです。
私が勤めているグランピングのお客様にも、夜中に‟鹿がテントのすぐそばにいるので大丈夫ですか?”という問い合わせをよく受けます。
野生の鹿は、通常、人間には向かってこないので大丈夫なのですが、大人の鹿は、体調が大きいもので2m弱あるので、ちょっと怖くなることがあると思います。
グランピングサイトの周辺は、木の塀で囲まれているので、通常は、野生の動物は入ってくることはないのですが、夜に出入りした戸を誰かが閉め忘れた時に、夜中に入ってくる場合があります。
そのような時は、サイト内をスタッフが手分けして鹿を外に追い出します。
通常、夜中は、時折こんな感じで、門の外をうろうろして中をうかがってます。
鹿は、草食なのでバーベキューで脂が付いたものなどは、野菜でも食べないので、お客様のサイトのものを物色することはありませんが、知らない方からすれば、やっぱり怖いですよね。
第2位 夜、寒くて寝られな~い!
ゴールデンウィークにキャビンにお泊りのご新規のお客さんで、‟夜は寒くて寝れないので電気毛布はありますか?”というヘルプがありました。
あらかじめ、ホームページにも注意書きを大きく載せていても、やっぱりあるんです。
そのような時は、もちろん追加の毛布や寝袋をお渡しするのですが、たまたま、急に冷え込んだ日だったので、同じようなお客さんが殺到して、毛布が足りなくなってしまったんです。
仕方がないので、至急少し離れた別棟に行って用意したのですが、毛布をお届けするまでの間、お客様は、寒い時間を過ごすことに。。。
このようなケースが、真夏以外であれば結構あります。
日中は、半袖でも良いくらいの気温でも、夜中の2時から明け方にかけては、天気が良い日は、放射冷却でかなり冷え込みます。
第1位 夜11時を過ぎても、近隣のサイトがうるさくて眠れない!
これは、自然と全く無関係な人災と言うべきものですが、非常に多いです。
グランピングでは、テントサイトは、当然のことキャビンやコテージもホテルのような防音効果がある建物は、おそらくないと思います。
自然を感じに来ることが、大きな目的の一つなので、静かに自然の中に身を置くというコンセプトが普通と思うのですが、そうでない方も多いようです。
そのような場合、スタッフが静かに過ごしていただくように協力のお願いをしに上がるのですが、収まらない場合も少なくありません。
特に、お酒が入っていると、かなり厳しいものがあります。
日頃のストレス発散をされている?
自宅と同じ声の調子で話してしまって、音は漏れないと錯覚してる?
いづれにしても、なかなかこの問題は無くなりませんね。
ネットでも、よく散見されるので、お客さんの中でも事前に耳栓を用意されている方もおられるくらいです。
まとめ
グランピングと言えば、皆さん夜は快適な環境で就寝できるものと思ってご来場される方が多いように思います。
でも、テントの中で冷暖房完備と言っても、やはりホテルの密室のようなわけにはいかない場合が多いです。
1泊10万円以上するグランピングであれば、状況は変わってくるかも?ですが。。。
そこで、グランピングで‟こんなはずじゃ~なかった”と思わないためには、以下の3つのことを考え、お出かけされることをお奨めします。
・夏でも、防寒具は必ず用意しましょう。
・野生動物で鹿は、まず人に対して襲ってこないです。まれに出没することがあるアライグマに遭遇した場合は、そっと何もせず管理棟に避難し、スタッフに任せましょう。
・夜10時以降の就寝時間は、声のトーンにお互い気を付けましょう。
この3つを頭のどこかに置いておけば、星が降ってきそうなすばらしい夜空や焚火のゆらぎに癒されて、終始グランピングを楽しめると思います。