テレビに新聞に、連日新型コロナウィルスのニュースが飛び交う中、元気が有り余っている4歳の息子の育児に、自分自身もっとパワーが欲しいボイジャーです。
新型コロナウィルスは、WHOが3月12日未明にパンデミック宣言を表明して以来、感染者の数は、あれよあれよという間に、世界で20万人を超えましたね。
米国「アトランティック」誌によると、ハーバード大学公衆衛生大学院のマーク・リプシッチ疫学教授が、同誌のインタビューにおいて、「この1年間で世界の人口の40%から70%の人が感染するだろう」と予測コメントしていることからも、治まる気配が見られません。
参考出典:The Atlantic :You’re Likely to Get the Coronavirus
さらに、同記事では、マーク・リプシッチ疫学教授が「多くの人が、軽症か症状が無い状態である可能性が高い」とのコメントも掲載しています。
新型コロナウィルスについては、未知の部分も多く、世界中の優れた医療従事者や研究者が必死で解決に向かって対応されている所なので、この分野について素人が発信するべきではないと思っています。
しかしながら、未だ解決されていない新型コロナから、自分の家族を守るために、今しなければいけないことを整理する意味において、私たち一般人は、どのように日々生活を送って行けばよいのかということは、切実な問題だと思います。
よって、今回、この新型コロナウィルス流行下で生活するにおいて、個人レベルでできる対策を考えていきたいと思います。
新型コロナウィルス感染は、放射能汚染に似ている?
新型コロナウィルスは、現時点での発症者情報は、テレビや新聞で逐次、居住先の都道府県、性別、年齢が公開されているので、皆さんもご存知の通りだと思います。
しかしながら、前述のマーク・リプシッチ疫学教授がコメントしている、多くの軽症者や無症状な人は、ほとんどの方が普通にいつも通りの生活をしていると考えられます。
主婦であれば、買い物にスーパーに行くでしょうし、会社員であれば、会社に出勤するでしょう。
このような状況で、今日の朝食時に妻と“新型コロナウィルス感染は、実際には既に結構な感染者がいるんだろうなぁ。”と話をしていました。
まぁ、あくまでも確率論的な話です。
それでも、素人からすると、新型コロナウィルスは、アメリカの国立衛生研究所が17日に、「エアロゾルで最大3時間、厚紙で最大24時間、プラスチック及びステンレスで2日から3日検出可能」とwebに発表しているのを見たりすると、スーパーの店の買い物かごとか、出先のトイレのドアとかちょっと考えてしまいます。
まさに、疑心暗鬼の世界です。
【エアロゾル】
気体中に浮遊する微小な液体または固体の粒子と周囲の気体の混合体をエアロゾル(aerosol)と言います。エアロゾルは,その生成過程の違いから粉じん(dust)とかフューム(fume),ミスト(mist),ばいじん (dust) などと呼ばれ,また気象学的には,視程や色の違いなどから,霧(fog),もや(mist),煙霧 (haze),スモッグ(smog)などと呼ばれることもあります。
粒径についていえば,分子やイオンとほぼ等しい0.001μm=1nm程度から花粉のような100μm程度
出典:日本エアロゾル学会 https://www.jaast.jp/new/home-j.html
これは、“日本で起こった3.11東日本大震災時の原発放射能漏れ事故後の状態に似ているなぁ”と、ふと思いました。
事故後の残留放射能の有無をめぐり、地元の農家や漁師は、きちんと放射能測定器で検査して安全なものを出荷しているにもかかわらず、長きにおいて風評被害を被ったことは、記憶に留まっている方も少なくないと思います。
ウィルスも放射能も、人の目に見えない人体にとって有害な存在です。
人は、目に見えない相手には昔から恐れを抱き、パニックに陥りやすいと思います。
新型コロナウィルスが怖い本当の理由
新型コロナウィルスは、技術的にもまだ未知な部分が多く、得体のしれない存在への恐れは当然あると思います。
しかしながら、私たちにとって本当に怖い存在は、ウィルスの存在そのものの他に、私たち自身にあると思います。
それは、この未知の存在の影響による、私たちの社会生活崩壊の可能性です。
人間は、ご存知の通り社会的生物です。
山奥で一人、山河からの食しか採らず、一切の俗世から乖離した仙人のような生活をしているならともかくとして、私たちは、基本的に多くの人と関わりを持って生活しています。
その平和な生活の中に、突然、新型コロナウィルスのような得体のしれない病原が入り込んで来れば、人々は、まず、自分が罹患しないことを想像を膨らまして第一に考えるのではないでしょうか?
ウィルスの影の部分である社会性ウィルスの脅威
私は、今回の新型コロナウィルスのように、得体のしれないものの影響により、必ずと言っていいほど高い確率で私たちの生活の中に発現する、このウィルスの影のような存在を「社会性ウィルス」と命名したいと思います。
社会性ウィルスのマクロとミクロのダブルダメージの危険性
この社会性ウィルスは、社会のマクロ的側面とミクロ的側面において、新型コロナウィルスに罹患していないであろう人々も巻き込み、私たちの生きる力を弱めていくのではないかと考えます。
社会性ウィルスのマクロ的側面の危険性
社会のマクロ的側面では、デマがウィルスのように、どこからともなく漂ってきて、急速に風評被害を広めていきます。
このような状況を踏まえて、世界保健機関(WHO)では冒頭のパンデミックとともに「インフォデミック」(infodemic: information pandemic)と称し、警戒を強めています。
今回の新型コロナウィルスの風評被害を見ると
静岡県では、
高知県では、
大阪でも
等々、探せば枚挙にいとまがありません。
このように風評被害により、社会全体が経済的にダメージを受けやすくなり、私たちの日々の生活に深刻な状況を創り上げていきます。
社会性ウィルスのミクロ的側面の危険性
一方、社会性ウィルスのミクロ的側面としては、俗に「犯人捜し」※と呼ばれる感染者の個人特定や、罹患者に対する周囲の冷ややかな感情により、私たち個人間の人間関係が弱まる状況を拡散するということが考えられるのではないでしょうか。
※『FACTFULNESS』ハンス・ロスリング他著、2019年1月、日経BP社の第9章「犯人捜し本能」参照
犯人捜しも以下の様に、私たちの身近で起こっています。
この他にも「コロナにかかったら一家心中」のスレッドがSNSに流れたり、私の住んでいるエリアの中央病院にコロナ患者がいるらしいという噂が立ち、どこの誰?というざわつきが続いていたり等々。
これらの果てにあるものは、仲の良かった隣人関係の崩壊や孤立と言った状況に陥ることを経て、社会生活が機能しにくくなる殺伐とした社会が見えてくるような気がします。
新型コロナウィルスを乗り切るために必要なこととは?
新型コロナウィルスに対する現状でできる具体的な予防方法は、既に国や関係各機関が提示しています。
その他に、最新の新型コロナウィルスの仕組みや、ワクチン開発の現状、子どもはかかっても軽症又は無症状は、本当か?、コロナウィルスは、治っても、再度かかってしまうって本当?などのQ&Aを「ほりえもんチャンネル」でやっていました。
回答者は、米国国立衛生研究所アレルギー感染症研究所でウィルス学、免疫学の研究をされている博士研究員の峰宗太郎先生です。
この動画は、新型コロナウィルスの現状でわかっている特徴やインフルエンザとの比較を踏まえて、とても解りやすくて良かったので、シェアをしようと思います。
1本25分前後の前編と後編に分かれています。
この動画を見ている時間が無い方のために、内容の概要だけ下記に記載します。
前編
・新型コロナウィルスと既存のコロナウィルスの違いの説明
・子どもはあまり重症化しない?高齢者は重症化しやすい理由。
・上記質問の回答から推測できること。
・新型コロナウィルスの治療薬開発の現状。
・重症化した患者さんの人工呼吸器使用についての話。
・インフルエンザ肺炎の時との比較。(人口心肺の使用)
・インフルエンザで亡くなる方はどんな患者さんが多い?
・新型コロナウィルスに感染した人が完治した後、再感染することはあるのか?
・今後、新型コロナウィルスワクチンが開発され、予防注射が可能になるのか?
後編
・今後、医療機関に患者が大量に流れ込み、医療崩壊につながるリスクはある?
・SARSコロナウィルスよりも感染力が強いとされる原因とその特徴
・ウィルス感染は、なぜ冬に流行る?
・新型コロナウィルス感染症対策はいつ終息する?
・私たちができること
この動画を見て、峯先生の回答から、改めて我が家の今後の新型コロナウィルス予防対策を下記のようにまとめることができました。
【飛沫感染予防として】
・外出時のマスクの使用
・人が多い所、増える所を避ける。
・飛沫が飛ぶ環境を避ける。(峰先生:“新型コロナウィルスは、鼻水に多量のウィルスを含む特徴がある”)
・換気が十分でない所は避ける。
【接触感染予防】
・公衆・公共施設を利用している時は、退出までは手で首から上を触らない。
・こまめな手洗い・うがいの励行
【共通の予防】
・症状のある人に近づかない。
まとめ
新型コロナウィルスは、未知の部分が多いとはいえ、政府機関、WHO,NIHからの情報や前項の峰先生のお話から、多くのことが理解できました。
同時に正直なところ、あくまで個人的な考えですが、今回のようなパンデミックにまで進んだ状況を考えると、健康保菌者や軽症罹患者は相当数いるのではないかと不安もあります。
SNSなどを見ると、同じようなご意見をお持ちの方も結構、見受けられます。
そのような中、ニュースで報道していた「花見禁止の上野公園にお花見ではなく、反省会をしにきた」と言ってお酒を飲んでいた中年サラリーマンのグループや、この緊急時にライブハウスに出かける人達を見ると、閉口してしまいます。
古来、日本には、非常時には常に使われていた言葉があります。
「軽挙妄動を慎む」
この言葉の意味は、皆さんご存知の通り、「何も考えずに軽はずみな行動はしない」という意味ですが、日本という国を歴史的に見てみると、もっと深い意味があるように思えます。
そこには、軽挙妄動を慎んだ先にあるものが見えます。
それは、他に災いが及ばないように自重する姿勢です。
我が家では、妻は、新型コロナウィルスに関わらずインフルエンザに対しても、毎日予防に余念がないので、罹患症状は、ありませんが、小学校勤務なので、念のために、毎週孫の顔を見せるために実家へ行くのを止めています。
実家の両親は、父は70代半ばで母は60代半ばです。
もし何かあってからでは遅く、命にかかわるので用心しています。
また、子どもの外遊びは、人が少なく自然の多い場所で元気いっぱい遊ばせています。
「軽挙妄動を慎む」と言えば大げさのように聞こえるかもしれませんが、自分が新型コロナウィルスにかかった場合の、周りへの影響度も心に置き、新型コロナウィルスと併せて社会性ウィルスにも罹患しないように気をつけたいものです。