突然、掃除機が動かない!
昔の電化製品って結構長持ちするんですよね。
我が家の電化製品も、冷蔵庫に電子レンジ、洗濯機なんかは15年選手現役バリバリでがんばっています。
掃除機も調子よく動いていたのですが、元旦の本日、突然スイッチを入れてもうんともすんともいわなくなってしまいました。
元旦早々困りました。
皆さんもこのように、古い年代物の電化製品を愛用していて、ある日突然止まってしまって、困ったという思いをされたことはないでしょうか?
昔のMade in JapanはセルフリカバリーOK
殆どの場合、10年以上経った電化製品は寿命と考えて買い替えるという選択をされる方も多いと思いますが、昔の電化製品って、だいたいモノによって壊れる所が決まっているんですね。
さらに、修理箇所が特定しやすくて部品交換もピンポイントでしやすいという良いところがあるんです。
今の電化製品だったら、おそらく家電には電子制御のIC基盤があって、その中の一部が破損しても、丸ごと基盤1枚交換して修理するので、修理代が高くついてしまうことが殆どです。
ということで、昼食を採ってから息子の相手を1時間ほどした後、掃除機の修理をすることにしました。
自宅でメインで使用している掃除機なのですが、かれこれ20年くら使っている年代物。
20年も持ったらふつう買い替えると思いますが、私自身、企業で約20年間弱電から強電まで、電気機器&設備のモノづくりの仕事に技術者として携わっていたので、モノが単なる機械に思えないところがありまして、どうしても長年世話になった機械がへばった時は、何とか復活させてやりたいという変な思いがあります。
ということで、我が家の機械は、自動車は今年30万キロまで乗って見送りましたが、冷蔵庫も電子レンジも20年現役バリバリです。
中身を開ける
さて、掃除機のスイッチを押すと本体のLEDは正常に付くので、基盤の部品が原因ではなさそうなので、分解してみて中身を見ることにしました。
動かして原因を探索
断線しかけている個所等、特に見当たらなかったので動かしてみると青い火花がモーターの中でバチバチ結構派手に飛んでいました。
写真の中央の四角い窓の中がモーター内部です。
緑色がスパークと言われる火花です。
ちなみに木のとんかちは、モーターを押さえるのに使っています。
通常は、開いた状態でモーターを動かすのは危険なので絶対に真似はしないでくださいね。
原因特定と処置
激しく火花が飛ぶ状態は、モーターのブラシと呼ばれる部分がすり減って、変形していたり、カーボンが多量に付く時に見られる典型的な症状なので、やっぱり寿命で買い替えかなぁと思いつつ、とりあえず延命処置でブラシ部分を外し600番の紙やすりで接触部分を丁寧に平らに削りました。
再度、電源を入れてみてみると、掃除機の4モードの一番吸引力が強いモードで火花が多少みられる程度で、動作が復活しました。
モーターのブラシ部分は、新品でも負荷がかかると火花が出ることはよくあるので、当分はこれで様子を見たいと思います。
昔からモーターは、日立と言われていたので掃除機と洗濯機は日立にしたのですが、やっぱり長持ちしましたね。
ものに対する勝手な思い
長持ちする製品を見ると、その会社のモノづくりに対する思い入れがあるよう感じられて、勝手に嬉しくなっています。
私の企業時代の1ページに、現場で製造プラントのシステム構築に携わっていた時が10年ほどあるのですが、何度やってもうまくいかず、後輩の技術者と一緒に何日も徹夜でトライ&エラーの繰り返しでへとへとになったある日、ついに目的の基準動作をクリアーできたという経験があります。
クリアーできた瞬間、後輩と思わず手を取り合って半泣きになったのを今でも覚えています。
その時の充実感は、仕事の領域を超えた至福の時として生涯忘れることはないと思います。
また、今回の掃除機のように古い機械が調子が良くなく、見るために分解すると大抵は、埃やススのようなものがいっぱい部品に付いているんですね。
それを見た時に、いつも、“よく長い間頑張って働いてくれたな。今、具合の良くない所を見て直し、楽にしてやるからな”と心の中でつぶやきます。
“人も機械も長く年を取ると、色々と積もり積もったものの掃除をしなければ、具合が良くなくなるものなんだなぁ”と勝手に思ったりしてます。
かつての日本が製造業で世界を闊歩していた時代は、機械は人が作るからこそ、人に長く寄り添う製品が世に排出され、世の中の人々に長く愛されていた時代でもありました。
IC基盤で固められた今の時代の製品のモノ作りは、ロボットにAIが主体になってきていますが、今の製品は安いですがどこか冷めているような気がするんですね。
息子にも仕事に携わったなら、このような小さなことでも感動をして泣けるような経験をしてほしいとちょっとだけ勝手に思いながら、直した掃除機を息子と一緒に感謝を込めてピカピカに磨いていました。