50代で子育て専業主夫になった私の日記

50代で初めての長男が誕生し、何もかもが180度変わりました。そんな初めての世界に感じたことを気分転換も兼ねて日々綴っているブログです。

知られざるパワースポット!1500年前の修験道霊場と龍王大権現伝説を訪ねて初秋の長老ヶ岳へ入ってみた

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 息子と川遊びに来た、京都府の真ん中にある仏主にまたまたやってきました!

www.netikikata.com

今回は、息子は幼稚園なので私だけです。

 

子どもがいないので、おとなモードの探訪ができ、撮影もじっくりできます。

 

家事を済ませて、ちょっと朝10時半と遅めになってしまいましたが、仏主には、11時過ぎに到着しました。

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特に観光地化も進んでいないので、ほとんど外からは人が来ない静かな山里です。

 

それだけに、地元の方に迷惑にならないように、お邪魔したいと思います。

 

知られざるパワースポット

これから入山する長老ヶ岳は、京都府で900mを超す数少ない山のうちの一つ。

 

関西100名山にも数えられるほどの山ですが、山頂近くにNTTの電波塔があり、そこまで舗装路も整備されているので、時折、地元の小学生も登ってきます。

 

でも、この山が今から約1500年ほど前に、この山頂に密教の寺院が100ほど建ち、、修験道の聖地であったという伝承は、京都府のホームページでは紹介されているものの、一般の方には、あまり知られていないようです。

 

また、当時、この地を訪れた大和の僧、円能法師が現在の権現谷という長老ヶ岳の登山林道から、少し離れた谷を上っていくと岩窟があり、そこに龍王大権現の石像を祀ったとされる伝説もあります。

 

関西の修験道といえば、役行者が活躍した時代の大峰山系や葛城山系が有名ですが、今回の長老ヶ岳は、その時期よりもさらに1世紀ほどさかのぼった時代に存在していたとされています。

 

実際、権現谷の岩窟には、龍王大権現の石像とされるものがあり、その岩窟の前の水面には、今も誰かがお参りに来たのか、榊がありました。

 

この空間には、どこかパワーを感じます。

 

長老ヶ岳にいざ入山

仏主の集落を抜けるとすぐに、長老ヶ岳の林道ゲートが見えてきます。

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この道を、上っていきます。

歩いて10分足らずで権現谷の入り口に到着です。

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この山道を入っていきます。

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手入れされた杉木立の中の山道を10分ほど歩くと、大きな杉の木でできた橋があり、その向こう側に、 「七色の木」という全国でも珍しい木があります。

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この「七色の木」は、京都府のホームページにも掲載されていて、その説明をお借りすると、

幹周7.35メートル、樹高11メートルの巨木で、カツラの木の本体にスギやケヤキ、フジ、カヤ、イロハモミジ、イタヤカエデの6種類の木が共生しているもの

   引用元:https://www.pref.kyoto.jp/select200/flora28.html

だそうです。

 

その隣に、お地蔵様のお社があり、その前には滑床のような谷川が流れています。

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このお社の横の灯篭を見てみると、文政二己卯(つちのとう)年となっているので、1819年に建てられたものですね。

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当時は、江戸時代の後期、高校の歴史の教科書にも載っている化政文化のまっただ中で、江戸を中心に町人文化が花開いた時期です。

 

ちょうど、飢饉や地震、一揆といったことが起こる直前の時代でもありました。

 

お参りを済ませて、この谷を上っていきます。

権現谷の谷上り

ここからは、獣道のような所を進んでいきます。

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途中に鎖場がありました。

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谷の両側は、古い粘板岩のような崖になっていて、板状節理のように板状に割れていました。

下の写真では、褶曲も見られます。

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このような場所を七色の木から15分ほど上ると、龍王大権現さまの岩窟に着きました。

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岩窟の中に見える雪だるまの形をした石が、円能が祀ったと言われる龍王大権現さまの石像です。

【龍王大権現の伝説】

円能法師が初めてこの地に来遊された時、ある民家に立ち寄られ、その顔、猿そっくりの人がいるので驚かれ、『お前は一体何者か?』と問われたところ、『允恭天皇(仁徳の子)の末裔、齢貴仁というもので、今は彦比丘となって住んでいる』と答う。
この谷の奥に大きい洞窟があって、毎夜仏体日月のように光って、地は鳴動して止まない不思議がある
どうぞこの鳴りを鎮めて頂きたいと願った。
その時、側にいた僧、照頼も里人と共に頼んだ。
円能法師は承諾して、その夜はその家に宿られて、次の日、照頼を伴い、三人の里人を案内者とし、例の洞窟に行き、奥深く入ると、龍姫の霊体鬼となって照頼に飛びかかった。法師少しも揺るがず、『止、歯、祠』と言えば、鬼はたちまち梟となって静まった。
師は静かに『お前は何故この負荷山に住んでいるのか?』と言うと、梟は頭を垂れて、『妾は以前、広原海に住んでいたが、孝安天皇甲辰の年からここに来て、千年の行をすれば、やがて天に昇って神になると聞いて、水神となって毎日行に励んでいる。どうぞ妾を祀って下さい』と言い終わると、またも恐ろしい龍となった。
そこで法師は再び『お前がここに住むのであれば、龍王と号し、五葉山権現として崇めてやるから、今後益々万民の為にその安全を守るように』と言われると、その形は煙の消えるように失せてしまった。
法師はその誓いを守って、仏体を刻まれて洞窟の中に祀られた。
これが龍王権現の由来であるという。
引用元:甲田勝衛 著『和知町 石の声 風の声』和知町教育委員会 刊行

 

さらに、谷の奥に入って龍王の滝を見たかったのですが、時間がないので楽しみは次回に取っておきます。

 

仏主峠へ

 権現谷を林道まで引き返し、長老ヶ岳の仏主峠に向け出発です!

横に流れる谷川は、かなり以前の台風の影響で大木がゴロゴロしています。

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道は、NTTの電波塔まで舗装路なので、ちょっと山の散策としては残念な所もありますが、歩くのは正直、楽ちんです。

 

40分ほど上ったところに、昔の休憩所がありました。

 

今は、トイレも使用禁止になっていて、休憩する建物もかなり傷んでいました。

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さらに進むと、道はつづら折れになっています。

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つづら折れを上りきると、長老ヶ岳のキャンプ場がありますが、今はだれも使っていない感じでした。

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ここまで来るのにかかった時間は、1時間20分ほどです。

ここでつづら折れの道は終わり、比較的緩やかな坂道になります。

周りの木々も、大木はあまり見られないため、日当たりが比較的いいです。

 

道には、芝栗が落ちていました。

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山手のほうを見ると、いわかがみの群落がありました。

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キャンプ場から40分ほどで仏主峠に到着しました。

上り約2時間の行程でした。

f:id:Boyager:20201013163958j:plain まとめ

権現谷への往復約1時間と仏主峠までの往復約3時間の行程でした。

写真や動画を取りながらの登山なので少々時間が多くかかってしまいましたが、すばらしい大自然を満喫できました。

 

今回の行程の概略をHD画質の動画にまとめてみました。

よろしければ、見ていただけましたら嬉しいです。

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