こんにちは!田舎に住んでいるのでコロナ禍でもマイクロツーリズムを楽しんでいるボイジャーです。
私は、大の本好きで、最近は子育て家事が忙しいと言いつつ、隙間に月10冊は読んでいます。
ジャンルは、多岐に渡りますがマンガは昔から読まないです。
(あくまで、趣味嗜好の話です)
おかげで、本は、自宅の2階の本棚にぎっしり状態です。
テレビでたまに見る森永卓郎さんの家は、趣味のミニカーコレクションの重みで自宅が傾いているとご本人が言っておられましたが、我が家は、まじめな話、本の重さで傾いています。
これは、ちょっとやばい!と思ってどうしても残したい本を厳選して、どんどんアマゾンのマケプレで処分しています。
買って下さるお客様も、個人が殆どですが、時には内閣官房室とか東京大学、海上自衛隊など、えっ!と思う所もあったりして、これはこれで面白いです。
そのような中、最近読んだ本でホリエモンの「死なないように稼ぐ。」とたねや三代目の山本徳次著「たねやの心」の2冊を読んで気づいたことを今回、お話ししたいと思います。
ベンチャーのホリエモンと創業148年の老舗たねやのダイナミズム
ホリエモンと言えば、皆さんもご存じのライブドアという大きな会社を買収し、時代の寵児となった彼が一転、収監され、これまでかと思いきや、さらにパワーアップして、今は、宇宙ロケット開発にファウンダーとして参加したり、ゼロ高等学校や堀江貴文イノベーション大学校という教育分野で活躍されたりと、その勢いはすごいですよね。
個人的には、ホリエモンと聞いてイメージするのは、ベンチャー、新興、ネット、合理主義、M&Aと言う感じで、どちらかというと外資系ぽくてドライという印象です。
一方、「たねやの心」のたねやは、滋賀県の近江八幡に本社がある創業明治5年の老舗のお菓子屋さんです。
本社工場の中には、職人を育てるための「たねやアカデミー」を併設したり、子育ての従業員が安心して働けるように「おにぎり保育園」を併設したりしています。
特筆すべきは、「おにぎり保育園」はただ単に従業員が働いているための託児所といった役割のみならず、食事は、園児自らが野菜を育てたものを取り入れ、自然や命と言ったことを感じさせる食育を実践し、施設の造りにも教育の大家ルドルフ・シュタイナーの思想を取り入れるという充実ぶりというところ。
社員でなくても入園させたくなる保育園ですね。
このたねやのイメージとしては、老舗、伝統、家訓、保守といった感じで、昔からの先人の教えを守って、ひたすらコツコツ仕事に向き合う職人の世界に加え、自然を尊び、人間を育てるといった印象です。
たねやのバームクーヘンと言えば、知らない人がいないくらい超有名です。
私も妻も、たねやさんのバームクーヘンは、大好きでよく買いに行きます。
この、ホリエモンとたねや。
一見、考え方が全く異なる感じがするのですが、どちらも、このコロナ禍の中、売り上げをどんどん伸ばしています。
そこで、まずはホリエモンとたねやのそれぞれの考え方?をこの2冊の本を中心にして探っていきたいと思います。
「死なないように稼ぐ。」から見たホリエモンの考え方
この本をずばり要約すると、ホリエモンプロデュースのお店和牛ジンギスカン「WAGYUMAFIA」や昨FC展開を始めている「小麦の奴隷」を例に
稼ぐためには”「仮説(アイデア)をすぐ検証(実行)する」”ことの繰り返しが重要であり、その‟行動力が「価値」になる”ということ。
著者は、多くの人は、この「仮説(アイデア)をすぐ検証(実行)する」ということをほんの数回やっただけで止めてしまう、それどころか一度もそのようなことは行わないといったことが多いのでは?と読者に投げかけ、稼ぐためには、まずは、やってみてトライアンドエラーを続けてみましょう!ということを言いたいんだろうなと感じました。
また、‟やると決めたら継続させるのが僕的には当たり前”で”二日酔いだろうが刑務所に入ろうが、イベント「ホリエモン万博」などでほぼ起きている時間にいろいろとやることがあってメルマガを書く時間が足りなかろうが、どんなときもなんとか時間を捻出、あるいは仕組みを作ることによって成し遂げてきた。”という本書の文面からもそのスタンスの徹底ぶりが伺えます。
さらに、‟身の回りに不幸な出来事が起きたりし、それを言い訳にして「今週はお休みします」などという人はやっぱりどこか詰めが甘いところがある。”とダメ出し。
自分を振り返って心当たりがあるだけに、これは刺さりましたね。
「たねやの心」から見たたねやの考え方
たねやの考え方は、三方善しの哲学に象徴される地元近江商人からの影響が大きいと思います。
たねやでは、全社員に通し番号のついた「末廣正統苑」(すえひろしょうとうえん)といわれるたねやのバイブルが渡され、社員は、度々音読しているそうです。
この「末廣正統苑」こそが、たねやの根幹を形成し、ダイナミズムを生み出している根源と言ってもいいものだと思います。
この「末廣正統苑」は、長年門外不出で、これまで行くたびも名だたる経営者から拝読許可の申し入れがあったものの、部外者に渡ることはありませんでした。
しかし、この本の著者であるたねや三代目社長の山本徳次氏が、社会のためにと、この封印を解き、その一部をこの本で読み解いています。
その一部の中でも、特にコアな部分と思う所を見ていきます。
‟汗なし 汗なし 道を拓け
流れ落つる汗の玉の光こそが
健やかに働ける喜びと感謝の心の輝きと知れと訓されし(さとされし)
我が先人の言を
今日も耳に新しく聞きて歩を進めむ
走る勿れ(なかれ)
されど止るは尚愚かなり
ただ歩めよと訓されし
我が先人の言を守りつつ
今日も生活を進めむ”
前半の節は、汗をかくほどに一生懸命、日々仕事をする中、元気で仕事ができることの有難さに気づき、そのことが喜びに感じられるようになることが肝要と捉えることができるように思います。
後半の節は、著者による読み解きによると、商いは、‟急がず、休まず、コツコツと。”
と言っています。
さらに、時間の捉え方についても以下のように書かれています。
‟商人なれば新しき刻を 新しき商い 新しき福となして 新しく使うべくなり”
ここからは、少し解釈が難しいと著者も言っておられるのですが、この部分の著者の解釈は、以下の通りです。
‟今日、今、この瞬間々々を大切に捉えていこうよいうことやろな。時の流れのままに身をゆだねていくのではなく、時間というものをもっともっと主体的に捉えなさいということや。そうしたら、時間というものが今まで考えていたものとは異なる刻として新しく顕れてくるはずや。されば、商いとは時間というものを常に新しく捉えて福とすることができるはず、というわけや。”
さらに、時間について加えられています。
‟禅句に曰く
十二時(とき)に使はれず
十二時を使得すべし”
著者の解釈では、
‟一日の時間に振り回されることなく、一日という時間を主体的に逆に使いこなしなさいよ、というようなことや。”
といわれ、
‟「会社が忙しくて、とても本など読んでいる時間がない」とか「会社に振り回されてもうくたくた、自分の時間なんか一分たりともない」などなど。こういう人は大概、いくら時間があっても本など読まんやろうし、もちろん自分の時間など創り出そうともせんやろな。それこそ一生のあいだ。”
とコメント追加しています。
またまた、これも私にとって耳の痛いところ。
ホリエモンとたねやの共通点はここだ!
以上から見ると、ホリエモンとたねやの考え方の中には、いくつか共通している部分が明らかに見られます。
まずは、やってみること。
そして、継続すること。
時間の捉え方にしても、今を大切にしている所。
極めつけは、理由を付けて手を動かさない人について、ほりえもんは、‟詰めが甘い”と言い、たねやの三代目社長は、そういう人は、”それこそ一生のあいだ”(しない)と言ってビジネスには向いていないことを示唆しているように思います。
さらに、たねやの現在の四代目社長山本昌仁氏が、先日テレビ番組でたねやのコロナ禍のV字回復について、なぜ回復したのかを話していました。
その経緯を聞いて、ここでもホリエモンとの共通点が見られたんですね。
四代目社長の話によると
たねやは、ブランド戦略展開で販路は、百貨店とわずかな直営店に絞って特別感を武器にビジネス展開をしていたのですが、このコロナ禍で百貨店は休業と販路を絶たれ、売り上げは7割も落ち込んだとか。
一気に赤字転落。
そのような危機的な状況下でも、その時に抱えていた多くの在庫商品を、この機会にたねやのお菓子のおいしさを感じてもらおうと、近くの病院や学校に無償で配られました。
するとその後、病院の患者さんや学校の子どもたちなどから、たねやに多くのお礼状が届いたそうです。
このことから、たねやはブランド重視から多くの人にたねやのおいしさを届けようという方針転換をすぐに実施、販売も店頭販売からEC販売に急遽変更する傍ら、生菓子などの正味日数が短いものは、工場横の空きスペースで工場直販にするという方法でV字回復したそうです。
これは、正にたねやのバイブル「末廣正統苑」の教えがあったからこそですが、何よりも実際、迅速な判断と行動が引き寄せた結果でもあると思います。
まとめ
一見、スタンスが大きく異なるような感じがするほりえもんとたねやですが、実は儲けるということについて、考え方が共通している部分がありました。
それは、とにかく、稼ぐという行為をやってみて、良いも悪いも反省しながら続けるということが必須というか当たり前という鉄則。
そして、スピード。
さらに極めつけは、言い訳する人は一生たってもビジネスはできないだろうというダメ出し。
たねやのバイブル「末廣正統苑」は、たねや創業時(明治時代)から脈々と時代を越え、ICT社会になった現代にも継承されたたねやの心だと思います。
私の譲っていただいた「たねやの心」の最初の白ページに書いていただいている、たねや三代目社長の山本徳次氏の直筆の「心」という書です。
今回ホリエモンとたねやから見出した共通点は、時代を越えてビジネスを行おうとする者に対しての不易な部分だと感じました。