先週末は、妻から頼まれて自宅から車で20分ほどのところにある「味夢の里(あじむのさと)」に妻と息子の3人で久しぶりの外出をしてきました。
「味夢の里」は、京都府京丹波町にある道の駅4つ(味夢の里、和、瑞穂の里 さらびき、丹波マーケス)のうちの一つで、京都縦貫自動車道の真ん中くらいにある高速サービスエリアも兼ねています。
2015年7月にグランドオープンし、この4つの中では、一番新しい道の駅です。
道の駅は、全国1173施設(令和2年3月13日現在、国土交通省)あり、皆さんも一度は目にしたことがあると思います。
この道の駅の看板を掲げるには、4つの条件が必要なんです。
その条件とは、
道の駅」登録要件
○休憩機能
- 利用者が無料で24時間利用できる
- 十分な容量を持った駐車場
- 清潔なトイレ(原則、洋式)
- 子育て応援施設(ベビーコーナー等)
○情報発信機能
- 道路及び地域に関する情報を提供(道路情報、地域の観光情報、緊急医療情報等)
○地域連携機能
- 文化教養施設、観光レクリエーション施設などの地域振興施設
○その他
- 施設及び施設間を結ぶ主要経路のバリアフリー化
○設置者
- 市町村又は市町村に代わり得る公的な団体※
※都道府県、地方公共団体が三分の一以上を出資する法人または市町村が推薦する公益法人
引用元:道路:道の駅の案内ー国土交通省
この条件を有している施設を造って、自治体が国土交通省に申請して認可されれば、めだたく道の駅オープンとなります。
また、建築費や維持管理費は、全部自治体が出費する「単独型」とトイレや駐車場の部分を道路管理者(国土交通省やNEXCO等)が出費し、地域振興施設などその他の部分の出費を自治体が出費する「一体型」という2つのタイプがあります。
企画・計画から実際の施設建造、管理・運営まで一昔前までは、自治体主体で、でやる公設・公営の形態がほとんどでした。
でも、最近では、民間の資金や経営ノウハウを活かし、道の駅を造ることが多くなってきました。
「味夢の里」は、資金は自治体が起債や交付金などで用意し、施設の設計から運営・管理まで契約により一括して民間委託するDBO(Design Build Operate)と呼ばれる方式を採用しました。
参考文献・引用元 財務省近畿財務局『道 の 駅 「 京 丹 波 味 夢 の 里 」
~「休憩ニーズ」と「地域振興ニーズ」のマッチング(京都府京丹波町)~』
http://kinki.mof.go.jp/content/000115597.pdf
道の駅でもあるので、自動車道にのらなくても一般道から入れるので、地元民はほぼほぼ一般道で行きます。
但し、サービスエリアから自動車道を降りたり、一般道から自動車道に入ることは、2020年7月7日現在では、残念ながらできません。
それでも、「味夢の里」の敷地に隣接する場所に、2020年の秋以降にホテルをオープンする建設が急ピッチで進んでいますので、このサービスエリアからの自動車道の出入りも近々に可能になると思います。
ホテルの完成も間近!
ホテルが新しいタイプの「道の駅」の特徴
「味夢の里」に、ホテルが新設されると初めて耳にした時は、“どうしてこんな田舎にホテルなんか作るんだろう?”と不思議に思いました。
でも、このホテルのコンセプトを見て、なるほどと思いました。
このホテルは、積水ハウスが始めた地方創生事業「Tripe Base 道の駅プロジェクト」の提案内容が、自治体のニーズと一致したため造られました。
このプロジェクトのコンセプトは、「未知なるニッポンをクエストしよう」というもので、「味夢の里」の他にも14か所の地方の「道の駅」にロードサイド型ホテル※が建設されています。
※ロードサイド型ホテル 主要幹線道路沿いや高速道路のインターチェンジ付近に建設される宿泊に特化したホテル。
要は「道の駅」に隣接して建てられたホテルに滞在しながら、地域ならではの文化や風俗に触れ、体験型の旅行を提案するものです。
ホテルは、世界的に有名なマリオット・インターナショナルのブランドホテルである「フェアフィールド・バイ・マリオット(Fairfield by Marriott)」です。
「味夢の里」のもう一つの魅力
この「味夢の里」へは、自宅から車で20分ちょっとの場所であるということもあり、グランドオープン以来、結構足しげく通っています。
その理由は、イタリア料理などに使うちょっと変わった野菜や、無農薬野菜がこの道の駅の中にある「京丹波マルシェ」で安く買えるからです。
前回は、金美人参と言う黄色くて甘い人参の無農薬ものを1本100円で購入しました。
普通は、自宅の料理で本格的なイタリア料理とかフランス料理をしようと思うと、食材は、デパ地下とか高級住宅街にあるような高級スーパーに行かないとなかなか揃いませんよね。
でも、こんな田舎で、なぜこんなハイカラな野菜が安くで売られているのか?ちょっと気になってお店の人に聞いてみました。
その理由は、近隣にイタリア料理やドイツ料理などレストランがいくつかあるので、農家さんが契約でそのお店に野菜を卸していて、見栄えが良くないものとか形がちょっと良くないものを京丹波マルシェで格安に販売しているのだそうです。
そう言われてみると、心当たりのお店がいくつか思い浮かんできました。
実際に行ったことのあるお店も何件かあるので、またの機会に紹介しますね。
ラベンダー摘み体験
今回のお目当ては、この日が開園初日のラベンダー摘みです。
このラベンダー摘み体験は、地元の京丹波曽根活性化対策協議会の女性グループ「そねっと」が主催していて、その実行責任者と妻が職場の元同僚で今も親交があるということでやってきました。
ラベンダー園自体は、規模は小さめですが、いい香りが一面に広がっていました。
この香りの中にいるだけでも癒されますね。
息子もラベンダー摘みに夢中でした。
しっかり、私と妻と息子の3人分のラベンダー150本を摘んで妻の実家の祖母のお土産にしました。
ちなみに、私は写真ばかりパチパチ撮っていたので、摘んだラベンダーのほとんどは妻が取ってくれました。
ラベンダーを摘み終わった後は、隣に古墳があったので行ってみました。
塩谷古墳群と言うこの古墳は、今から30年ほど前に、土砂採取の場所で発見されました。
円墳と言われるまん丸い古墳が12基あるこの古墳群は、11基を現地保存しています。。
現地の説明看板によると今から1500年ほど前の古墳時代中期終りから後期の始めにかけてのものらしく、誰のお墓かも不明なんだそうです。
それでも、埴輪や土器、刀子(とうす:現代の小刀のようなもの)、鉄製の矢じり等、多くの出土品が見つかり、中でも巫女型埴輪というめずらしい埴輪が2体出土し、府有形文化財になっています。
古墳群は、誰でも入れるようにきれいに整備されていて、いつでも入れる無料公園になっていますので、興味のある方はおすすめです。
まとめ
私は、高校の時から自転車でよく泊りがけで旅行しました。
時間があれば、西日本や信州によく出かけましたが、宿泊はいつもユースホステルでした。
当時は、安くて宿泊者のほとんどが学生ということもあり、色々なユースホステルを渡り歩るき、宿泊先で多くの同世代の学生と出会い、話に花が咲きました。
また、ユースホステルに連泊することも多く、連泊中に地元を散策したり、ユースホステルの企画でお弁当持ちで山に登りに行ったりなど、その土地ならではの体験を楽しみました。
こんな楽しいユースホステルの宿泊体験を過ごしてきたのですが、就職して年齢も上がってくると宿泊先は、ビジネスホテルやペンションに変わりました。
その理由は、ユースホステルは、基本、何をするにもセルフサービスでお酒禁止、門限がある場合があるなど、制限事項が多いんですよね。
仕事に就いて、大型連休なんかで旅行となると、宿泊してまでセルフサービスでアルコールもできないは、ちょっと無理かなぁって思ってしまいます。
とは言え、ビジネスホテルは、お風呂はユニットバスで部屋が狭い場合が多く、地方のビジネスホテルは古い部屋の場合も多いです。
ペンションは、食事は期待できますが、その他は、やっぱりビジネスホテルと変わらない所がほとんどです。
その点、今回の積水ハウスのこのプロジェクトは、地方での文化的な体験をゆったりした宿泊施設で過ごしながら旅をすることができ、食事もその土地ならではの食材のものを道の駅で選んで楽しむことができます。
宿泊は、地方でも全室wifi環境が整ったゆったりした空間で、その日体験したことをブログにアップしたり、LINEしたりなど旅が充実すると思います。
このように、道の駅のホテルに宿泊する魅力は、宿泊以外はすべて自分でオーダーメイドできる点にあると思います。
夕食は、道の駅のレストランを利用しなくても、地元名物の素材が入ったお弁当を買ってリーゾナブルに楽しむのもいいでしょうし、日中は、地元の文化的な体験をして、地元の隠れた有名店で食事するっていうのも楽しいと思います。
積水ハウスのこのプロジェクトは、今秋のオープン時には、宿泊場所が2府県15か所だけですが、順次全国展開を視野に入れているとのことなので、今後が楽しみです。
地方には、その土地に行ってみないと知ることができない日本古来からの習慣、伝統、特産物が少なくないと思います。
そのような隠れた日本の心ともいうべきものを自分スタイルで体験できる旅が、この道の駅のホテルをベースにすることにより、快適に実現できると思います。